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2023.08.16
海外の株式市場に上場する際に知っておきたい英語表現10選
#ブログ
近年、ニューヨークに拠点を置くNASDAQへの直接上場を目指す企業が増えています。
その魅力はスタートアップやベンチャー企業に理解があり、アメリカ、ニューヨークを拠点としていることから投資家が集まりやすいという点です。
実際にNASDAQに上場している企業関係者の話では、日本と比較してスタートアップやベンチャー企業に対する投資熱が圧倒的に異なるようです。
しかし、NASDAQに上場を考えても資料のほとんどは英語です。
今回は海外の株式市場に上場するために知っておきたい英語表現を10個選んでみました。
今回、紹介する単語やフレーズは基本中の基本ですので、海外の株式市場に上場を考えている場合は知っておくと良いでしょう。
これらの単語を頭に入れて置くだけでも英語の資料やウェブサイトが一層読みやすくなるので、ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。
1.「上場する」を英語でいうと?
「株式市場に上場する」を英語で言うと「Going public」「go public」です。
「My company is going public」は「私の企業は上場します」という意味になります。
気をつけたいのは「Go public」には「上場する」という意味以外にも、「世間に知らせる」「表に出る」という意味があります。
この表現は時と場合によって意味が違ってくるので注意が必要です。
たとえば、スーパーヒーローが正体を明かす際にも「Go public」という表現が使われます。
例:I will be the first super hero to go public.
(私は自らの正体を明かす最初のスーパーヒーローになる)。
決してスーパーヒーローが上場する訳ではありません。
また同じ表現でも状況によって意味が変わりますので注意してください。
たとえば、株式の公開について話し合っている場合の「We are not going public with this」は「こんな状況で株式公開はするべきではない」という意味です。
しかし、不祥事の対応について話し合っている場合の「We are not going public with this」という表現は「こんな状況で表には出ない方がいい」という意味になるので気をつけてください。
2.「上場企業」を英語でいうと?
上場企業を英語ではListed company、publicly trading companyと言います。
たとえば、NYSE listed companyまたはNYSE listing companyとはニューヨーク証券取引所に上場している企業、という意味です。
「わたしたちの企業はNASDAQに上場している」を英語でいうと「We are listed on NASDAQ」となります。
またPublicly trading companyという表現もあります。
たとえば、「We are publicly trading company. You can buy our stocks on NYSE.」とは、
「私たちの会社は上場企業です。ニューヨーク証券取引所で株を買えますよ」という意味です。
3.「株式」「株」を英語でいうと?
「株式」や「株」は英語で「stock」とか「share」と言います。
株式市場を「stock market」とか「share market」といいますが、一般的に「stock market」という表現が使われることが多いです。
英字新聞のビジネス欄を読むと毎日、必ず「stock」「stock market」という言葉が出てきます。
たとえば、こんな記事です。
There have been some rough patches in the stock market.
Even so, the returns of big tech stocks so far have been fabulous.
これは、以下のように訳すことができます。
「これまで株式市場にはいくつかの荒波がありました。
それでも、ここまでの大手ハイテク株のリターンは素晴らしいものでした。」
Stocks とSharesは同じような意味で使われることが多いのですが、使い方が少々ことなるので気をつけてください。
たとえばニューヨークタイムズの記事はそれぞれを以下のように使用しています。
Stocks: Shares fall on oil price.
(株式:石油価格の影響を受けて株価下落)。
Stocks: Shares rise as Wall St. is heartened.
(株式:ウォール街の活気に伴い株価が上昇)。
つまり、一般的に株式を表現する場合はStock。特定の株式や株価を表現する際にはsharesが使われています。
次のセクションでもsharesの使い方を説明しているので参考にしてください。
4.「株主」を英語でいうと?
「株主」は英語でShareholdersと言います。
「株式(shares)を保有(hold)している人」という意味です。
Stockholdersと言っても間違いではありませんが、shareholdersの方が使われることが多いです。
以下、ニューヨーク・タイムズの見出しです。
Netflix Shareholders Vote to Reject Executive Pay Packages.
これは、「Netflixの株主が役員報酬の拒否に投票」という意味になります。
株主はShareholdersですが、「株式を持つ」は「own share」と表現します。
たとえば「あなたはアップルの株をいくつ持っていますか?」と聞きたいときは「How many Apple shares do you own? 」という聞き方をします。
How many Apple shares do you hold?とかHow many Apple stocks do you have?という聞き方はあまりしないので気をつけてください。
参考までに証券取引所のことは「stock exchange」というので覚えておいてください。
5.「新規公開株」を英語でいうと?
新規公開株や新規上場株式のことを、initial public offering と言います。
これを略してIPOと言ったりします。
「IPO」という言葉を多くのかたが聞いたことがあると思います。
たとえば、アップルが株式公開をした時には以下のようなニュースが流れました。
On Wall Street, the tech titan Apple went public this morning to incredible market interest, as four point six million shares of its initial public offering (IPO.)
これは以下のように訳すことができます。
今朝、ウォール街では、テック業界の巨人アップルが460万株を新規公開株として、市場の驚異的な関心を集めながら上場しました。
6.「資金提供する」を英語でいうと?
「資金提供する」を英語では「provide liquidity」または「inject liquidity」と表現します。
たとえば、以前、こんな表現が新聞の見出しにあがりました。
Bank of England decided to provide liquidity to British banks.
これは「イングランド銀行は英国の銀行に資金提供することを決定しました」という意味です。
ちなみにイングランド銀行とは英国の中央銀行、日本でいう日本銀行のようなものです。
また、投資家へのプレゼンテーションなどでこんな質問が出ることもあります。
「Who else provides liquidity to your company?」
これは、「他に誰があなたの会社に資金提供するのですか?」という意味になります。
7. 「資本」を英語でいうと?
資本を英語でいうと「capital」です。
資本金のことも「capital」と表現して問題ありません。
日本語では資本を「事業をはじめるために必要なお金」「そもそものお金の出どころ」などと説明されますが、英語のcapitalも同じ意味で使われます。
たとえば、Oxford Learner's dictionaryでは「capital」は以下のように定義されています。
wealth or property that is owned by a business or a person and can be invested or used to start a business.
以上を訳すと以下のようになります。
「企業または個人が所有し、投資または事業をはじめる際に使用できる富または財産」
8.「資産」を英語でいうと?
「資産」を英語でいうと「assets」です。
日本人が「資本」と「資産」の違いに迷うように英語のネイティブの人たちも会社の経営者や会計係ではない限り「capital」と「assets」の違いをしっかりと理解している人は少ないです。
資本(capital)が「事業や投資をはじめるために使われるお金や財産」であるのに対して、資産(assets)は「将来お金を産みだす可能性のある具体的な財産」が資産です。
Oxford Learner's dictionaryでは「assets」は以下のように定義されています。
a thing of value, especially property, that a person or company owns, which can be used or sold to pay debts.
以上を訳すと以下のようになります。
「価値のあるもの、特に個人または会社が所有する財産で、借金の支払いに使用または売却できるもの」
すなわち、事業をはじめるために投資家や知人から集めたお金や自分の貯金のことを資本(capital)といい、資本を使って購入したお金をかせぐための機械や建物、自社ビルなどは資産(assets)となります。
9.「税引き前収益」英語でいうと
「税引き前収益」を英語でいうと「pre-tax earnings」です。
Pre-tax earningsは基本的に以下のように理解されています。
Pretax Income = Gross Revenue – Operating - Depreciation - Interest Expenses + Interest Income
「税引き前収益を英語でpre-tax earningsである」と覚えるついでに、上記の式に出てくる、そのほかの言葉も覚えてしまいましょう。
Gross revenue:総収益
Operating expenses:事業経費
Depreciation:減価償却費
Interest Expenses:支払利息
Interest Income:受取利息
すなわち、税引き前収益を日本語の式で表すと以下のようになります。
税引き前収益=総利益―事業経費―減価償却費―支払利息+受け取り利息
10.「店頭取引市場」を英語でいうと?
株式の「店頭取引市場」を英語では「over the counter」と言います。
このかしら文字をとってOTCと表現されることが多いです。
以下、1991年10月29日のニューヨーク・タイムズに掲載された記事です。
In Japan, OTC Trading Joins the Modern World
Japan's over-the-counter market joined the modern world on Monday, inaugurating a computerized trading system that provides real-time stock price and transaction information.
上記記事を訳したものが以下です。
日本のOTC取引が現代社会に追いつく
日本の店頭取引市場は月曜日、リアルタイムの株価と取引情報を提供するコンピューター化された取引システムを開始し、現代社会の仲間入りを果たしました。
まとめ
今回は、英字新聞や海外のニュースなどで頻繁に出てくる株式に関連する単語やフレーズを紹介しました。
この10個は必ず覚えておくことをおすすめします。
なぜなら、資金を得るための投資家への説明や投資家からの質問にも含まれることが予想されるからです。
以下、おさらいです。
1. 株式市場に上場する:Going public、go public
2. 上場企業:Listed company、publicly trading company
3. 株式・株:stock、share
4. 株主:Shareholders
5. 新規公開株・新規上場株式:initial public offering(IPO)
6. 資金提供する:provide liquidity、inject liquidity
7. 資本:capital
8. 資産:assets
9. 税引き前収益:pre-tax earnings
10. 店頭取引市場:over the counter(OTC)
海外の株式市場に上場するとなると、海外の株式市場の情報や投資家の情報を入手する必要があります。
また、申請書などの書類も作成しなければいけませんし、投資家への事業説明や投資家から出される質問の回答も準備する必要があります。
今回紹介した10個の英語表現は、最低限知っておくべき表現でしょう。
参考にしていただき、海外の株式市場への上場手続きを滞りなく進めていただけたら幸いです。
もしも、海外の株式市場への上場を考えており書類の英訳が必要という時は、ぜひ弊社にお気軽にご相談ください。