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2024.08.31
日本人が知らない意外と誤解している環境用語 エネルギー編
#ブログ
地球温暖化が真剣に議論されるようになって久しいのですが、英語で環境について議論をすると、専門家でない限り、なかなかついていけないのが日本人です。
たとえば、「日本にはまだ火力発電所が多いので・・・」と言いたい時に、すぐに「火力発電所」という意味の英単語が頭に浮かぶでしょうか?
「いやいや、私は環境系の事業者でありませんし・・・」と思う方も多いと思いますが、
海外に事業展開をしている企業や、これから事業展開しようと考えている企業であれば、環境や地球温暖化に配慮した取り組みを事業に何らかのかたちで組み込まない限り、資金を得にくくなっているのが現状です。
たとえば、「御社の工場の電力はどのように調達する計画ですか?」と聞かれた際に「もちろん、再生可能エネルギーで発電された電気で、OOの風力発電所から調達する予定です」とさらりと言いたいものです。
しかし、「再生可能エネルギー」「風力発電所」という英単語が思い浮かばす「えー、あー、うー」と悩んでいては、「電力について、何も考えられていないのね」「電力について詳しくないのね」と誤解されてしまいます。
一般に公開する事業計画などにも、環境に配慮した取り組みは盛り込むべきなので、今回は日本人が意外と知らない、または誤解をしている環境用語を、特に電気、エネルギーに絞って紹介したいと思います。
環境に配慮した電力
環境に配慮した電力はGreen Energy、Clean Energyと呼ばれます。どちらかというとGreen Energyと呼ばれる方が多いでしょう。
たとえば、New York Timesの過去のヘッドラインに「Hydrogen Offers Germany a Chance to Take a Lead in Green Energy」というものがありました。
直訳すると「水素がドイツにグリーンエネルギーで主導権を握るチャンスを与える」となりますが、環境に配慮した電力という意味で「Green Energy」という表現が使われています。
再生可能エネルギー
再生可能エネルギーはRenewable Energyと呼ばれます。
主に、水力発電、風力発電、太陽光発電などで作られた電気のことを再生可能エネルギーと呼びます。
以前、ゴミを燃やして発電するバイオマス発電も環境に配慮した発電方法として推進されていましたが、近年は温室効果ガスの排出量削減には貢献しない、という観点から再生可能エネルギー(Renewable Energy)には含まれない傾向にあります。
火力発電・火力発電所
火力発電はCoal Fired Generation、火力発電所はCoal Fired Power Plantと呼ぶのが一般的です。
日本語ではよく使う火力発電、火力発電所という言葉ですが、英語ではとっさに思い浮かばないですよね。
Coal Fired Generation、Coal Fired Power Plantしっかりと覚えておきましょう。
原子力発電・原子力発電所
原子力発電はNuclear Power Generation、原子力発電所はNuclear Power Plantと言います。
火力発電所よりも原子力発電所を表現する英語の方が広く知られていたりします。
日本語の原子力発電を直訳してAtomic Power Generationと言わないように気をつけましょう。
水力発電・水力発電所
水力発電はHydroelectricity Generation、Hydropower Generation、水力発電所はHydroelectric Plants、Hydropower Plantsと言います。
日本人だとついついWater Power Generationと言ってしまいがちです。Water Power Generationと言っても通じることは通じます。ただ、英字新聞などで取り上げられることが多いのはHydroelectricやHydropowerという表現なので覚えておいてください。
風力発電・風力発電所
風力発電はWind Turbine Generationと言います。しかし、正式な名称は決まっているわけではなく新聞記事でもWind Power Generationという言葉を頻繁に見かけます。
風力発電所を示す英語表現にもばらつきがあり、Wind Power Plants、Wind Power House、 Windfarmなどと表現されたりします。
地熱発電
地熱発電についても実は英語の表現が確定していないのが現状です。
現状、地熱発電は「generating electricity using geothermal energy」と説明的に表現されています。
地熱発電所についてもGeothermal Power Plantという表現を見かけるものの、この表現を使わなければいけない、というものは今のところないようです。
以下の記事のように米国の大手IT企業も地熱を使って発電された電気を使うことに積極的な動きを示しているので、今後、新しい用語が出てくるかもしれません。
2024年8月26日付けNew York Times
On Monday, Meta, the company that owns Facebook, announced an agreement with a start-up called Sage Geosystems to develop up to 150 megawatts of an advanced type of geothermal energy that would help power the tech giant’s expanding array of data centers.
(フェイスブックを所有するメタ社は月曜日、新興企業セージ・ジオシステムズと、拡大し続けるデータセンターの電力供給に役立つ最大150メガワットの先進的な地熱エネルギーを開発する契約を締結したと発表した。)
まとめ
地球温暖化防止が叫ばれる昨今、企業がどこからどのように発電された電気を調達するのかは投資家にとっても、投資先を決める大きな判断材料になっています。
逆に電気の調達先によっては、投資資金を引き上げる「divestment」という動きも投資家の中では大きな流れになりつつあります。
海外への展開を考えている企業にとっては、電力の調達方法は死活問題にもなりかねます。
逆にいえば、事業計画書に環境に配慮した取り組みをしっかりと書き込み、投資家に伝えることで大きなチャンスにもなりえます。
英文での事業報告書、事業計画書、CSR作成が必要な場合は、環境分野にも強い弊社にお気軽にご相談ください。